[7st]【Apple】ジョブズ復帰 (2007/1/24)
[Mac、そしてジョブスの復活]
MacintoshのOSは、1984年の出荷以降、System 7まで大幅に強化改良されたものの、基本的な部分はほとんど進化していなかった。'90年代に入ると、長らくOSの座を担っていたSystem 7.5系はSystem 7.5.5で打ち止めとなる。
1997年1月
「Mac OS」という呼称を初めて公式に採用した
「Mac OS 7.6」が発売された。
半年後、「Mac OS 8」の名で、久々のメジャー
アップデートを行ったMac OSとして発売する。
「Mac OS 8」はMacユーザの間では大ヒットし、
アップルは高利益を受け復活の足がかりとなった。
次期Mac OSとなる新たなOSを外部から調達する事を決定する。その中にはマイクロソフトのWindows NT、サンマイクロシステムズのSolaris、IBMのOS/2、BeのBeOSを候補として、調査と交渉を行った。なかでもBeOSこそ本命と噂されていた。
1996年11月頃
アップルが次期OSを外部に求めているという話を知った
NeXT社のエンジニアは、スティーブ・ジョブズに打診。
公表されてはいなかったがNeXTはハードウェアから
撤退し創業以来初の黒字となっていたものの経営状態
は良好とはいえず、ジョブズはこの話を受けてアップル
とアメリオに対してOPENSTEPを売り込んだ。
1996年12月上旬
1985年以来初めてアップル社内に入り、アメリオら首脳陣
と話し合いを行った。
1996年12月10日
BeOSとOPENSTEPの比較プレゼンが行われたが、勝利
を確信していたガセーがほとんど事前準備をしていなか
ったのに対し、周到に準備をしたジョブズがカリスマ的な
プレゼンテーションを行い、ガセーは敗れ去った。
1996年12月20日
アップルがNeXT社を4億ドルで買収することを発表し、
次期OSの基盤技術としてOPENSTEPを採用すると発表。
[AppleとMicrosoft]
1997年2月
正式にNeXT買収が成立し、アメリオの要請も有りジョブズ
はアップルに非常勤顧問という形で復帰した。
1997年7月
アメリオが辞任し、ジョブスは暫定CEOとして就任する事
になる。取締役陣のほとんど辞任し、代わりにオラクル
のラリー・エリソン、インテュイットのビル・キャンベルらを
取締役に迎え入れ、取締役会はほぼジョブズ寄りの
メンバーに再構成される。
※インテュイット:アメリカの会計ソフトの会社。日本では弥生会計として販売
マイクロソフトと特許のクロスライセンス及び業務提携
を結ぶ。アップルはNetscapeナビゲータに代わりIE
InternetExplorerを標準ウェブブラウザとしてバンドル
する事と引き換えに、マイクロソフトはMicrosoft Office
をMacintosh用により一層最適化させ、更にMacintosh版
とウィンドウズ版を同時リリースするということである。
ゲイツはOfficeの開発を善処する事と引き換えに、インターネットエクスプローラの標準バンドル権を勝ち取る事となり、マイクロソフトとしては痛くも痒くもない1億5000万ドル以上と言われる出資(額は非公表、議決権のない株式を発行)を行った。そしてボストンで行われた1997年のMac World Expoでは、ジョブズの基調講演の最中にゲイツがスクリーン中に登場し、それらの提携を発表する事となる。歴史的和解とも取れるこのコンピュータ業界の大物同士の両者の演出は、発表された提携内容よりも話題性の方が大きく報道され、関心の深い者には良くも悪くも波紋を呼ぶ結果となった。
1998年5月
iMac を発表。
このiMacは、ポリカーボネイト素材をベースに半透明(トランスルーセント)筐体を採用した、人間の感性に呼びかけるデザインテーマの製品だったのだ。このデザインは視覚的にも訴えかけていたが、ボンダイブルーなる青緑のカラーリングにマスコミはこぞって賞賛を送る事になる。iMacの存在意義はそれだけでなく、単純明快なコンピュータである事を示すべく、当時のAT互換機で標準になりつつあったUSBを新たに標準として採用した。
更に、トランスルーセントデザインを採用する事で、ジョブズはこのiMacにも似合う周辺機器が開発される事を見越しており、サードパーティ各社はこぞって新製品や現行品の改訂版として同様の半透明素材を採用した製品を発表した。
アップルは後にこのiMacのリビジョン改訂を行い、5色になったiMacは"Candy"と名付けられ、色名も"ブルーベリー"、"タンジェリン"、"ストロベリー"などの名称が与えられる。その後もカラーテーマを替えて人目を惹き、それに付随する様にスロットローディングタイプのCD-ROMドライブを採用したり、PowerMacintoshにしか与えられていなかったFireWireポートを採用する等でヒットを続け、iMacはアップルに久しぶりに利益をもたらしたのだった。
その途中には"iMac to go"というコンセプトのiBookが発表される。"ブルーベリー"と"タンジェリン"と言ったiMacでの売れ行きが良い2色を用い、簡略化された各ポートと、頑丈なポリカーボネイトのボディーを採用したiBookはそれなりのヒット商品ではあったが大きさや重量と形状から日本では不評であった。後にiMac同様に数色がラインナップに加わり、FireWireポートも追加される事となる。
その後、2002年には液晶フラットパネルに改訂され、Duckneckという首降り機構を備え白一色で新たなデザインとなったiMacはCPUがPowerPC G3からG4に改められ、2004年秋にはPowerPC G5を採用した新デザインのiMac G5、2006年にはIntel製チップを搭載したiMac (Core Duo)が販売される。これにより、iMacでWindows XPを動作させようという動きがサードパーティ等から出始め、同年4月にはアップル社自身が将来提供するソフトウェア「Boot Camp」(2006年現在は開発途上版が公開されている)を利用する事により、Windows XPがIntel Mac上で動作可能になると発表した。
[デジタル家電戦略]
2000年9月13日
次世代オペレーティングシステムであるMac OS X Public Betaを発表。
奇麗なGUI表示となったMac OS X だったが、その華麗さに反し操作性についてユーザから戸惑いの声が上がった。
2001年
Mac OS X v10.0 “Cheetah” を発表。
GUIが改良されるがまだまだ完成度は低く、パーソナルコンピュータ市場はすでにWindowsが独占しており、単なる新しいOSとして売り出すには見た目のインパクトだけでしか勝っていなかったと言える。そこでアップルはパーソナルコンピュータ単体ではなくデジタル家電分野への参入が必要だと判断し、 Macintoshを核に様々なデジタル機器を連携させる「Digital Hub」という構想を打ち出した。
2003年
標準機能でWindowsのネットワークに参加できるようになった
[iPod]
2001年
iPodを発売。
それまで主流だったフラッシュメモリ型とは一線を画す、大容量ハードディスクドライブ型携帯音楽プレイヤーiPodを発売。当初は価格の高さにより売れ行きを疑問視する声が少なくなかったが、直感的な高い操作性と、管理ソフトiTunesとの抜群の連携機能もあり、徐々に売上を伸ばす。初期には斬新なコンセプトが理解されなかったことにより、懐疑的な意見が多くあった。
しかし、当初はMac版しかなかったiPodは後にWindows版のiPodを発売する事になる。その後、Windows用、Mac用といった区分けはなされなくなり、Windows向けiTunesが提供されたころからヒット商品となる。そして廉価版とも言えるiPod miniを登場させた事で爆発的にヒットし、さらに2003年には、iTunes Music Storeを開始、オンライン楽曲販売を始める。2004年にはiPodをヒューレット・パッカードにライセンスするなど、携帯音楽市場で、米国を中心に独占的な地位を確保するに至った。日本でもウォークマンを圧倒し、2003年以降一貫してデジタル携帯音楽プレーヤーのシェア1位を誇る。iPod miniの後継モデルとしてiPod nano、またシャッフル再生というコンセプトをメインに据えることにより低価格化とより一層の小型化を実現したフラッシュメモリ型のiPod shuffleも発売され、人気を博している。
日本では、2005年8月4日から登録楽曲数100万曲、1曲150円か200円という低価格で、iTunes Music Storeを開始した。開始よりわずか4日で100万曲ダウンロードを達成した。ポッドキャスティングと呼ばれる新しいデジタル配信媒体を構想し、テレビよりも技術革新が進まないラジオのデジタル化に革新をもたらすことが期待される。Macよりも販売が好調であり、現在アップル社において最も収益を上げている部門である。
iPodが登場した当初は、現状のような大成功を収めると思っている関係者が多かったわけではない。iPodに関しては、かねてからアップルが提唱していたコンセプト「デジタルハブ」(多くのデジタル機器の中心にパソコンを据えるというコンセプト)構想が時宜を得て、iPodが携帯型音楽プレイヤーの代名詞となるという、かつてのウォークマンのような地位を得た。
そしてアップルは、2006年2月28日にiPod関連商品iPod Hi-Fiというホームオーディオがスペシャルイベントで発表された。サードパーティが開発して来たiPod用ホームオーディオシステムに、アップル自身が直接手を出した事によってこれからのアップルの動向、また新たな挑戦が期待される。
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